無題/朧月夜
 
る、
だから、
こんなにも、こころは苦しくて、
吐いてしまいそうなくらいに、
梅雨の晴れ間はまぶしくて、

まるで、ひまわりのようね、
って、あのひとはいった。
あのひとはじぶん以外のすべてをわすれて、
それでもわすれきれないで、
まるでひまわりのようね、って。

とどかない想いはもう、
とどかないのです、
とどかないことを誰かが見届けたから……。
きっと安心して、
とどかない想いとして眠りにつくのでしょう。

こかげ、
こかげ、
あのゆらゆらと、
わたしはそこにいないかのように、
誰も観ていないかのように……ゆらゆらして。
戻る   Point(5)