夢の断捨離/アラガイs
 
ら幻よね。 そうだ!処分しよう。しなければならない。閉じた翅を拡げる。言葉は?そろそろ本気で目覚めなければ悔やまれるだけ。虚妄だ。  使い捨て、そう呼びかけた藁の案山子が毛虫に笑われた。現実を拾うのよ。夢を捨てたいのだ。
いま壁に大きく飾られてある絵。奥に仕舞われたままの絵画。何年も箪笥に眠るそして掛けたままの洋服。図柄/モノモノ物たち。本棚を見れば読まれることもなかった書物が数箱の中にも溜め込まれている(勿体ないことよのう)
もしわたしが居なくなればこの物たちはどうなるのか。焼かれるか捨てられるか売られるのか。跡継ぎも居なければ譲ろうという人間さえ見当もつかない。否、姫様は譲りたくはないのよ
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