あの日/
道草次郎
、二人が別々の道を行ったらそれまでやっと保ってきたものが全て崩れてしまう
それを二人とも知っていた
そしてそれがとても怖かった
けっきょく、案山子はめちゃめちゃになぎ倒されてしまった
傷つかない別離などないんだよ、と案山子の顔は空を見上げて笑っていたっけ
あの日、外では相変わらず雪がしんしんと降っていて、あらゆるものを覆い隠してやまなかった事が、忘れられない
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