毎日雨が降っている/山人
 
というとても大切な世界が存在しているのだ。思わず、携帯を取り出し、アップで画像を撮り入れた。蜜を必死に吸う虫の尻が可愛く動いていたのだ。
 雨は完全に上がっていたが、雨具を着たまま最後まで歩こうと思った。それは一途な達成感ためでもあった。きっと雨具の下の肌着はもう汗と蒸れで飽和し、ぐちゃぐちゃになっているはずで、それを帰ってからすべて剥ぎ取りたい心境に駆られたのだ。脱皮したいんだ、そう思った。
 
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