たったひとりのためだけのものぐさな神を引きずり出す/ホロウ・シカエルボク
 
限界まで引き摺り出されたものたちのなれの果て、俺が語ろうとしているのはそんなようなものなのだ―なんのためかって?それはたぶんあんたと同じ理由だよ…そうすることによって俺は自分の内奥へと強烈な光を当てることが出来、そしてそこになにがあるのかを見つめることが可能になる、そうして整理されなければならない、ちょっと考えてみて欲しい、こんなものを定期的に吐き出さなければならないような人間がいったいどんなものを抱えているのか…いや、別に自慢とかそういう話がしたいわけじゃないんだ、ただそうやって語ってみることのひとつひとつが、漠然とした理由のようなものになればいいなと考えているだけなのさ―そして俺は、これは決して大袈裟な話なんかじゃなくて―こうすることによっていままで生き永らえることが出来たんだ、だけど、そうして―そうして生き永らえた先に、いったいなにがあるっていうんだろう?もしも、ろくでもないものだけが待っていたとしても、そうだな、指先だけは動かせるようにしておいて欲しいものだけどね…。


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