巨人/
春日線香
巨人になって
谷を飛び越すことがある
足裏に地上の凸凹を感じながら
足首に絡む電線や
田んぼのぬかるみを楽しんだり
街を念入りに踏み潰す
そんな時、人は
わずかな寒気を感じて振り返り
呆然と街の死を見つめている
あの顔はいい
天女でも放ってやりたくなる
そこで逆立ちして
昔の踊りを踊ってやりたくなる
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