盲目/アラガイs
 
る  
 微かな光彩の調べ   陰翳に照らし出す鏡   杖は要らない 
いま蘇る景貌
               指先に伝わる  震え
うつるものはすべて音になりひかりにあらわれるかすかなひかりのなかでカタチがみえてくる 
  モノ カタチは要らない 瞼は振動に鼓動する 音が旅をする いのち  
    感性  映るものすべてが現れ 洗われる

鰻は清流の水底に眼を浸す
小石を拾い上げては磨き 男は眼を瞑り河原を歩いている
  その稀有な混声に喉を圧し殺すこともない
支流から本流にかけて尾は蛇行を繰り返し 強固に研ぎ澄まされた鰭
 鋼の賜りものが波に浚われる
琴線に弾けては形成される 音
硬骨の節と麗しい響きを残して




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