やめてしまいたい/這 いずる
私は語れない
立派な悲しみでないから
物語にならない幸せ
幸せにつなげられない景色
毎日繰り返し使い古した
囁きが増えてざわめきになり意味は消える
現実と夢では
リセットされるだけあって
夢のほうが幸福を感じる
自分のことを説明するまでもなく
分かってほしいと願うくせに
自分からは行動しない
私から生まれる事は間違っていて
肯定も否定も怖くなって
いずれにせよ
間違っているから、
その安心も間違ってて良いから
誰も私のことを気にかけないで
誰もが私のことを気にかけてくれ
暗い中で考えた結論が
少し不安定を軽くした
重力が月を引き寄せるように
頭の中身を寄せて返す波にした
私だけにわかる言葉で
作る羅列は
塵芥と化す、でも
伝わることは怖い
解剖された牛の死骸をながめれば
わかるか？
凄惨な殺人現場を一分後に訪れれば
殺した人の気持ちがわかるか？
雑踏
雑に踏みしめられた花びら
桜色だったようにも見える灰色が破ける
流れていく人波に
ゆだねるしかない奇跡を想い願い憂い
怖かった
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