嘘つき/こたきひろし
誰かに読まれたくて
読んで褒めて貰いたくて
書き込みを
始めたんだけど
最近は情熱が冷めかかっていた
完全に冷めきってはいないから
灰の中で燻り続けている火の種に
何とか油を搾り垂らして
こうして書き込んでいる
少年時代は
ノートに鉛筆で書いてたんだけどさ
今は便利な物が出来てる
字がへたくそだったからさ
書いても人様に見せられるようなしろものじゃなかった
自分だけの秘密のノートにして
家族にも見せなかった
一人で遊んでばかりのネクラだったから
仲間も友だちも出来なかった
孤独な文学少年だったわけさ
独楽みたいにいつも一人ぼっちで
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