赤く塗れ/ホロウ・シカエルボク
 
いなんだ…それに見合うだけの人生なんかこれっぽっちも歩んでないにもかかわらずね…そういう人間は危険だよ、たとえばここに何が書いてあるのかなんてまるで理解出来ない…なのに、理解しているかのような口をきいてみせるのさ―不思議だよね、暑中見舞いくらいの文章しか書いたことなさそうな連中だってそうなんだぜ―まあそんなことはどうでもいいんだ…この血についてどんなふうに話をすればいいのか、この血をどんなふうに語ればいいのか…俺はいつだってそんなことのために脳味噌を掻き回してる気がするよ、ん、意味?意味―いや、たぶんさ、そうした答えを求めたい気持ちなんてものは俺にも理解出来るんだよ、気取った言い方をすればレゾンデ
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