跳躍/ひだかたけし
 
この青い青い球体の上で
刻まれた無数の思い出は
木立の緑や光の筋
揺れる樹間の白い空
それらそれらと相重なり
沸き上がっては降って来る

気が遠くなるよなこの夏日に
熱風と共に渦を巻き
一つ一つのシーンが
かけがえのない時の個体が

平板になっていく日々をやり過ごし
私は未だに待っている
新たな季節の到来を
新たな記憶の跳躍を
新た新たな時の開けを









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