二階の兄/墨晶
黙ってあたしの話を聞いてくれる唯一の家族だ
あたし達の親達のことや 学校であった嫌なことや
読んだ本のことや
ところで あたし 本当にもう色々なことが嫌になったの
お兄さん どうしたら良いかしらねえ
あたしはお兄さんの後ろ頭を見ていた
すると片耳の孔から白い細長い棒の様なものがスルスル上に向って伸びてきた
そしてその先端に ぽっと?が点った
?燭だわ でも どうして?
あたしは暫くその?を見てぼうっとしていたら
今日があたしの誕生日だと云うことを思い出した
お兄さん 祝ってくれるのね あたしですら忘れていた誕生日
あたしはその?燭を貰
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