ロケット/カンチェルスキス
ガソリンスタンドの光が
日曜日の朝の教会みたいに見えた
おれは神様なんか信じてないけど
仏頂面して
お気に入りの歌もなくて
交差点をすり抜ける
自転車の女のスカートの足を
盗み見て歩く
道が途切れるまで行くことと
誰かを殺してしまうことが
同意義だったけど
どちらもできなかった
おれは雲に隠れた星なんか見上げない
地球の裏側にのぼった太陽を
恋人たちが喜んでる
今日の約束は実行される
その先に
生命の誕生があったりする日
歩くたびに
人の気配がなくなっていく
車
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