その世界の爆発はいつだって生臭いほどの赤みに満ちている/ホロウ・シカエルボク
叩き割る、血と、脳漿と、骨の欠片に塗れながら突破する、知ってるか、意外と滑るんだ、体液だのなんだのは…俺はいつでもスニーカー・タイプのセーフティーシューズを履いている、鉄が入っているからね―蹴っ飛ばすだけでもどっかの骨を割ることくらい出来る、腕が疲れたら蹴りを入れて突き進んだ、目的?目印?―そんなものはない、だからこそここは混沌と呼ばれているんだ、混沌の中を進むには、ただただ突っ切るという思いだけがあればいい、それさえあればなにかしら手に取ることは出来る、俺は走る、走る、殺しながら走る、意識が走るのは楽でいい、なにしろ息が切れることがないから…走ろうと思えばどこまででも走ることが出来る、混沌どもを
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