その世界の爆発はいつだって生臭いほどの赤みに満ちている/ホロウ・シカエルボク
動物の在り方を身に宿し牙の位置を整える、吠えるなら大声で、囁くならいっそ口を閉じて、己の心を恥じればいい、自分で処理出来れば人目にさらすこともない…とはいえ、それが出来るくらいならハナから真っ当な手段を使っているだろう、真っ当じゃないから正当性を欠いている、考えるまでもないことだ、まあいい、死ぬまで背中で好きなことを言っていればいい、それは誰をどこへ連れていくこともない、進化も退化もない場所でただ同じ光景が繰り返されるだけのことだ、俺はちょっと勘弁な、そんなことにマジになってる時間なんかないもんで―足元はいつでも必要以上に沈んでいる気がする、蝙蝠の糞に足を突っ込んでいるみたいな居心地の悪い感触
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