子守歌は静寂の雑踏のなかで/ホロウ・シカエルボク
 
すれば海を越えることが出来るのか…そんなことを身をもって知らないかぎりはね―関係のないことに目を向けるべきじゃない、必要なものと不必要なものを、頭のなかできちんと選り分ける技術が必要になる、まずそれが出来なければどうにもならない、出来なければ、間抜け面を晒して生き続けるのがオチさ…なあ、夜、すべてが軒を閉ざしたあとの街路を歩いたことがあるかい、眠れない焦燥に突き動かされて、夢遊病者のように、白くなり始めた空の下を、とぼとぼと歩き続けたことがおまえにはあるかい?あとになって考えると、それはすごく美しいことだったように思えるんだ…なにものでもない、どんなものでもない彷徨い、ぼんやりとうろつく視線がとらえる無軌道な風景―おまえが本当に話したいことは、そんな光景のなかにあるんじゃないのか?―プレイヤーの針が上がって、ターン・テーブルが緩やかに回転をやめたら、少し外の風に当りに出かけないか、歩き続けていると、いつか―


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