微睡む窓/
塔野夏子
微睡む窓から
静かな私が飛びたつ
静かさに沿うかぎり
どこまでも遠くまで飛んでゆける
さえずりや
せせらぎや
さざめきや
ざわめきや
を 内包しつつも
静かさは静かさのままで
そのなかを
静かな私は静かなまま
飛んでゆく
飛んでゆく
静かさの浮揚力で
どこまでも
どこまでも
時と風がからみあう またほどける
からんではほどけ 流れてゆく
どこまでも
どこまでも
微睡む窓が
微睡みからさめるその時まで
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