恋昇り12「つながる」/トビラ
ちゃんと部屋は涼しいし」
「ふふ。その冗談、流行ってるの?」
「え? どうだろう? 流行ってるのかな?」
「ううん、なんでもない。一ノ世君が大丈夫なら、それでいいから」
「榛名さんは、大丈夫?」
「私は、……、私はダメだよ。怖いよ。怖いよ、一ノ世君。すごく怖くて不安で。心臓が潰れそうだよ。わけのわからないことばっかり続いて、私もみんなもがんばってるけど、状況が全然よくならないし。一ノ世君、私ね。私、がんばってるんだよ。もう他に何をすればいいのかわからないくらいがんばって、やっと、一ノ世君と連絡取れて、それで、それで……」
「わかるよ。がんばってくれたの、わかる」
「わかる? 本当に?
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