電線とゆめ/
三月雨
空を横切る黒い線
手を繋いで風に揺られる
交差点では
信号無視の歩行者が
一人、渡ればまた一人
ヘッドライトの流れに飲み込まれていく
濃紺に反転する手前の空の鱗雲
彼は見られているのか見てるのか
歩を進めて繁華街では
脂の匂い肉の匂い
腹を空かせた元気な亡霊
鉛のネオンに頭をやられて腐りきるまで
さあ続け 夢みるおれの、後ろに続け。
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