不意打ちのようにやって来る/ホロウ・シカエルボク
暗い湖に朦朧と沈む膨張した死体の夢
網膜のなかに書き殴られた最期の詩
叫びはふやけた肉体に阻まれ
二度と出られぬまま溶解して流れ出る
いつだって午前二時
破裂と飛散を望むものたちが
内壁で騒動を起こすので
ある程度を彼らに任せるより他ない
生身のなかで死を学ぶ羽目になるのは御免だから
唇を開かずに話す
きちんと聞かせる為ではない言葉のような羽虫
生体として意味を感じさせない周辺を飛び回る
その羽音はこちらに届くことはない
必要のないものは認識されないようになっている
さあ、水を穿り、躯を引き摺り出すと良い
それを捌かなければおそらく必要なものは手に入らない
ナマ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(7)