小詩集・変化/岡部淳太郎
 
変化 1


かたくなな
個であるかぎり
変ることはない
ゆるやかな
流れのごとく
泣きながら行け

夜の空にいっしゅんよぎる
星のように
泣きながら変れ



変化 2


季節は変る

春は華やぎ
夏は懐かしい
秋は明かされぬ秘密
冬は深く心に積もって

そうして人の
変化を助けて



変化 3


繰り返される変化
繰り言のように何度も何度でも

括られて
縊られて
そうした苦しみのなかで
生きるため

繰り返す変化
繰り言でもかまわずに
何度も
何度でも


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