今日も気のせい/
秋也
水滴を垂らした
家族写真
父はぼやけ
姉はかすみ
弟はひきつる
母の顔とお腹を擦り穴を空ける
なんだろうコレ
なんでだろう
なんでなんだろう
私は私が憎いんだと思った
たっぷり詰まった遺伝子が耳鳴りのように
キーンと響いていく
銀皿にのせて
渋谷どこぞのクラブのライターで炙って
焼き切ろう
カラスが鳴く昼下がり
夏の気配がして
私はいっそう気怠くなる
頭の中で熟れたトマトがたくさん実る
記憶にないどこか家の庭が映る
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