会話から 虹色に一色たりない旗をふって/秋也
しゃれこうべは笑っている
「ホモサピエンスの頭蓋骨が落ちていたとして」
ふむふむ
「その頭蓋骨の穴から」
はー
「あなたはムカデが這っていてほしい」
はいはい
「それとも、名もない雑草〜野百合まで植物が花を咲かせていてほしい」
あー
それは山が好きなのか
草原〜花畑が好きか
聞かれているのにすごく似ている
骨が頭蓋である必要と
骨がヒト科である必要かは
入念に議論しなければいけない
「ごめん、宇多田ヒカルのTravelingを聴いていて、大切なこと漏れていた」
大丈夫、虫も花もあなたも世界も大好きさ
「素敵な台詞、ありがとう」
しゃれこうべはもう涙を流せない
戻る 編 削 Point(1)