【家庭の詩学】 #4 「味*素」のはなし/043BLUE
仮にぼくたちが「感動」する時に、脳内で起きている反応のメカニズムを研究し、「感動ホルモン」なるものを発見したとする。それを誘発する薬も開発されたとしよう(感動の素)。それを、どのように利用できるだろう?つまらない詩集の紙に練りこむ、つまらない映画を上映する際に空気中に散布する。するとどうだろう、たちまち、「感動」をつかさどる脳内のシナプスがビンビンに刺激されて、皆「感動」の渦に巻き込まれるのだ!すごい便利だ!もう、「感動」を起こすために芸術家が悩む必要はないのだ。すごい経済効果が期待できる!内容なんてどうでもいい、とにかく、「感動ホルモン誘発剤」をガンガン作って、バンバンばら撒けばいいんだ!
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