震え/ブッポウソウ
 
いる。

 リウはたどり着いた自宅賃貸マンションの玄関、といっても床材の種類と微小な段差とでかろうじてそれと判別できるに過ぎない程度のものだが、の付近の床に、ナイロン製の黒い背嚢を背負ったままぺたりと座り込んでいる。帰りに立ち寄った深夜営業のスーパーマーケットで購入した物品を傍らに放置したまま、ほどいた髪をざんばらにしたまま、利き手の人差し指から小指までの4本の指と手のひらとでスマートフォーンを把持し残る親指でガラス画面を上方から下方向へゆっくりと撫でている。流れていく文字の列、風景や飲食物の写真、各種の掲示物等を、白眼勝ちの目で追っている。今日は終日横になっていた、メール開けない、怖くて布団
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