過ぎて去りし日々を/こたきひろし
過ぎて去った日々を
ふと立ち止まり振り返る事は誰にでも起こる
そこに見えた四つの苦しみ
そこにあった八つの苦しみ
愛情もあれば
憎しみも存在した
快楽も有れば
激しい痛みもあった
エゴイズムも有れば
慈愛をあわせ持ってもいた
人間だから
人間ゆえに
日々の暮らしの中に起こる躓き
充たされなかった欲望
日々の食卓の上の食べ残しと
食べこぼし
贅沢な美食と
冴えない粗食
ふと立ち止まり過ぎて去った日々を振り返る事は誰にでも起こる
そこにわきあがる懐かしさ
そこに沈み込んでいる悲痛
忘れる事で救われた悪しき過去
夢は
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