古い写真は/
こたきひろし
み続けてしまう存在
哀れで憐れで可哀想な羊は
周囲の生け贄にされる存在
そしてそんな存在の避難場所は
昼休みの図書室
でもその読書欲はカモフラージュ
そしてそんな存在は
人にかくれて暗黒色のノートに詩なるものを書きためていたりする
古い写真は嫌いだった
写真は新しいならいい
女とその女が産んで育てた二人の娘
私は父親としてシャッターをきられた
新しい写真
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