ぽっかりと空いた穴みたいな時間/ホロウ・シカエルボク
だって、俺も半分幽霊みたいなものだから…忘れられた展望台、あまりリアルの中に居ない人間―人ならざるもの…どれだけの違いがある?もう享受していることとはいえ、それでもこんな夜に強烈なマグライトで道を照らしながら歩いていると、こんなことになんの意味があるだろう、って考えることがある、別に真っ当なものや、確かなものに憧れがあるわけじゃない、それはチャンネルが合うのか合わないのかという程度の違いだけで、基本的には同じもののはずだからだ、こんなことになんの意味があるだろう?意味を求め続けても意味なんかないことはわかっている、ある程度、流れに従って生きることの方が大事だということも分かっている、だけどたまにこうして、ぽっかりと空いた穴みたいな時間の中に居ると、どうしたってそれを埋めなくちゃいけないような気がしてくるってもんじゃないか?ああ、と俺は星を見上げた―こんな日は、家に着くまでが凄く長く感じるんだよな。
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