無題/朧月夜
いつもの言葉を忘れてしまった。
ラン、そして、アウェイ。
僕たちはいつも走っている。
それはランナウェイ?
どうやら違うようだ。
僕たちは逃れない。
僕たちは逃げない。
運命が僕たちを呪縛している。
憂鬱が僕たちの枷となっている。
それは、想いがあふれ出す魔法の壺のようなもので、
ありきたりの日常から、
僕たちを解き放ってくれる何かだ。
ラン、そして、アウェイ。
……ラン、そして、ファーラウェイ、
ならどうなのだろう。
何が僕たちを見止めてくれるのか、
それは永遠か。
果てしないものからの愛情か。
いつも以上の懶惰か。
それとも死か。
そうではないと願いたい。
一つの果物のように、ただあるものとして。
なぜなら僕たちの祈りは……、
それ以上は言わないことにしよう。
ラン、そして、アウェイ。
アウェイという言葉に、意味はない。
僕たちはいつも走っている。
人同士、無限に遠く離れたまま、
そこかしこで息をしている。
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