恋昇り3「相談」/トビラ
 

『ああ、そっか、だからずっとイライラしてるのか』
『だからね、シイラちゃん。私たちは連座の指示に従った上で、私たちだけの作戦を立てなきゃいけないと思う』
『そうだね』
『一緒に考えてくれる?』
『うん、一緒に考えよう』

『あっ、そうだ菜良雲はどうする?』
『いいよ、菜良雲はどうでも。あいつ、ずっと私の体、触ろうとしてるんだよ』
『え? この状況で?』
『うん。しかも一ノ世君がいなくなってから、調子に乗りはじめてる』
私は言葉を失う。
そうか、一ノ世君は、ただいるだけで、エナちゃんを守ってもいたんだ。
その一ノ世君は、今は、いない。
つまり、菜良雲を止める人がいない。
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