だったらrip it up/ホロウ・シカエルボク
 
をするなら
どんな話題が良いだろうと気まぐれに考えを巡らせてみたが
なにひとつ思いつかないうちに目的地に着いた
俺は金を払い
礼を言って降りた
彼は会釈をして去っていった
「人生にはいろいろなことがあるんだ」
いかにも小難しそうな彼の仕事ぶりは
そんな話をしたがっているのかもしれないなと
思いついたのは
テールライトさえまぼろしみたいに霞んだあとだった
「のっぽのサリー」のリフを口ずさみながら
小さな部屋のドアを開けると
今日を目一杯詰め込んだかのようなジャムの空瓶が
飛び降り自殺を決めかねているように食卓の隅で佇んでいたってわけさ


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