雪の白さと炎と/opus
降り積もった雪の中で
世界は沈黙してしまった
雪の白さは
街のネオンを覆い隠し
喧騒を吸い込んだ
世界は終わってしまったと思われた
窓から明かりが煌々と灯された
人々がそれぞれの炎を焚いているのだ
雪は窓の形に沿って溶けはじめ
徐々にその姿は小さく失われようとしている
私は雪の白さに包まれ
その炎と共に失われてしまいたい
かつての世界は針に包まれ
騒音にまみれていた
頭痛はひどく
体が軋み続けていた
人の夢や
愛情や
情熱は
中々にして消えない
炎は暖かく力強い
人々は逞しすぎるのだ
とはいえ、私も人である
私も炎を燃やしているのだろう
だから、
今のうちにダイナマイトでも作って
この炎を持って
世界をぶち壊してやりたい
そう思いながら、
普段作らない肉じゃがに
火をくべるのであった
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