呆(改訂)/ひだかたけし
 
紅の波打つ
ツツジの原に

揚羽舞い舞い
光の海

広がり流れて
透き通り

両手を大きく
広げてみれば

遠く花野が
開けていく

  *

鈍色空は私の心
鈍色空は私の気分
鈍色空は行き止まり

そうしてぼんやり全てに呆け

私の心に花野が開ける
狭い暗渠を通り抜け
あの無上の花野に至る




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