道端の不審者/ふじりゅう
人と人が平等である前提から逸脱したということを認めることが大切であることをもって、捕まってほしいと主張しているのです。
そうすると、息子は途端に不機嫌になって、私へ怒りをぶつけてきまして、どのように怒りをぶつけたかというとすなわち「自分は断腸の思いで人を殴ったのだ、自分も人を殴りたくて人を殴ったのではない、殴りたくて人を殴ったと勘違いするのであれば、では母さん、あなたも一度人に殴られてみればいいではないか」、といって、私を突然殴ってきたのです。
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失望、ではありません。息子がこのように育ってしまったのは、すなわち親たる私の責任です。親の責任ということ、責任を持つということがどういう
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