気が付いたらボロ雑巾のようにベッドに転がされていた/山人
ってほしかったと思う。なにしろ、この男性B看護師は針を刺しながら、あれっ、おかしいなぁ、などと何度も耳元でささやくものだから、こっちはもう完璧な練習台なわけだ。さらに、この尿管カテーテル挿入後は常に尿意があり、極めて不快だった。
病名は心房細動。すでに二〇一九年八月二十一日に医師から告げられていた病名だ。病名宣告から一週間ほど調子が悪かったがその後ほぼ軽快。今回の術日に至るまでの間もほぼ症状は皆無で、いったい手術の必要があるのだろうかとすら思っていた。しかし、いったん慢性化してしまうと生涯高額な薬物治療をしなければならず、しかも病態悪化や、脳・心臓の梗塞の危険性もあり得るとのことで手術の決
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