反復/ひだかたけし
 
君は長らく歩いて来た
独りぼっちでこの長い旅路を
天辺に着いては転げ落ち
また振り出しから天辺目指し
繰り返し繰り返し歩いて来た

今終焉を迎えるに当たって
君はまだ旅の途中
もう放棄してもいいんだよ
そう言われても手足は止まらず
茜に染まる夕空を
遠い目をして見つめている

)もう放棄してもいいんだよ

君は最後まで諦めない
同じことの繰り返しだと
分かっているのに諦めない
いったいなぜなんだろう?
君は決して応えない
僕からしたらこの究極の問に
君は決して応えない
それが唯一の答えであるかのように

君は長らく歩いて来た
独りぼっちでこの長い旅路を
天辺に着いては転げ落ち
また振り出しから天辺目指し
繰り返し繰り返し歩いて来た

死するまで続くこの反復、
遠い目をして君は行く










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