時を抱く/
猫の耳
形のないもの
捉えどころのないもの
けれどとても大切なもの
淡々と確実に
過ぎ去るもの
私の腕をすり抜けて
青空に溶けてしまう
大事な人も一緒に
連れて行ってしまう
どんどん遠くなる
それでも愛おしく
私は何度でも手を伸ばし
頬ずりをして
強く抱く
力いっぱい
不器用な気持ちを
ぶつけながら
時を抱く
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