なにもなかった昭和に寄せて/梅昆布茶
さっぱり好きになってもらいたいんだ
アニミズムみたいに
いまある呪詛を滞りなく空に放って
いつかプラトンの国家論みたいに
あるいはマルクスの理想のように
紅い花よりも波長の長い色は不可視なんだね
紫が尊い色だとしてもそれより波長の短い色も視えないし
鳥は人間よりも紫外線領域の世界を感知して
はなむぐり風の糸をつたわって
春の歌くぐもってうたう機関車に
ここだけの話を紡ぐ翻訳機
窒息しそうに大好きな人がいたあの日
失速する日々を整理しようと思ってたんだけど
ぼくはうまれた時はちいさな塊だった
こころを吹き込まれいのちの融和をおしえられ
でも誰も愛せない時はなかったとおもうんだ
今も大好きなひとを
いつも好きなひとと
I’m going back home And
You can just come over here
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