明と暗/こたきひろし
公平と平等
当然ある筈のものがなかった
肝心な人の命を計る物差しにさえ
公平と平等に目盛りが刻まれていなかったと
思い知らされた
それぞれの人には
それぞれの値札がついていて
値札に書かれた数字相応の
扱いを受ける
それでも平時には
目立つ事なく陰に隠れていたから
公平と平等に無意識にいられた
だけど
突然降ってわいたこの非常事態に
あからさまにあらわれた
不公平と不平等
あからさまにあらわれた
不公平と不平等
怒りと悲しみに
涙が込み上げる
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