はらりはらり/
猫の耳
ハナミズキの
季節が巡ってくる
透き通るくらい
薄い花びらが
ふるふると
少しだけ冷たい風に
揺れている
東の空に月が上る
どうしていつも
ひとりなんだろう
どうして人は
離れてしまうんだろう
花びらが
木から離れるように
はらりはらり
月が南の高い空へと
移動していく
肩先を掠めて花が散る
月明りに怯えるように
はらりはらり
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