偏西風/アラガイs
 
見かけるのは珍しい
すれ違う心地よい出合いと別れだった。

家に帰れば話題は感染症で満ちあふれている

夕飯を終えるとまた一眠りしていた。
珈琲でも飲もうかと台所の椅子に腰掛けたところで奇妙な不安に煽られ
それは難民キャンプを襲う強い砂嵐に黒いスカーフが舞い上がり
 何故かしらに、ふと、 あの被写体に撮られた母と子も砂嵐に巻き込まれていたのかも知れない

買ったままシナモン入りのスティックを忘れていたことに気づいた。
時と場所はわたしの想いの中で偶然にも一致する
いつもの夜
潮風の強さがわたしのあたまをよぎっていった。











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