気づけよ、ユニークなメイクを施してたのはいったい誰だったのか/ホロウ・シカエルボク
 
手で拾ってしまった、と詫びると、かまやしませんよ、と警官が答える、そして、渡してくれというように手を差し出す、俺はそいつの手に鉈の柄を握らせる、その瞬間警官はノーモーションで後ろに居た仲間の頭をかち割る、それから俺の方を見て、な?という感じで頷く、俺たちは大笑いする、しばらく笑っているとどこからか酔っぱらいの集団が現れ、お前らうるせえなと文句をつけてくる、警官は期待を込めて俺に鉈を戻す、俺はターンを決める、酔っぱらいの首が順番に刎ねられる、ぶんと鉈を振って血を飛ばしたあと、警官の首まで刎ねてしまったことに気づく、あーあ、と俺はひとりごちる、かまやしませんよ、と警官の生首は言う、俺はその時彼の本質に気づく、彼の肯定は絶望の果てにあるものだった、俺は鉈を捨て、そこらにあった車に乗り、クラッシュ出来る壁を探して猛スピードで走り始める。


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