雨上がり/ミナト 螢
 
雨が片足を引きずっている
誰かの所へ急ぐのかな
糸みたいに絡まった過去を
身体に巻き付けて転んでも
春の目障りにならないように
雨は空回り僕は右回り
隠れていた時計の針の音が 
主張を始めて歩き出す
待ち合わせができるほど
近い場所に住んではいなかった
雨はそっと旅立つから
新しい靴を買っただろうか
雨はそっと消えるから
探してる人に会えただろうか
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