猫二匹/トビラ
 
ムを口に入れると、甘くとける。
「おいしい」
「でしょ?」
宮園さんは満足そうに微笑む。
「じゃあ、来てほしいところがあるから、一緒に来てくれる?」
「うん、わかった」
二人で歩く街の道は、いつもと違った匂いがする。

「到着」
公園。
ここの公園は、僕はあまり来たことがなかったな。
「こっちの方に来てくれる?」
そう言われて、公園の端の方に行くと、小さな段ボールがある。
もぞもぞ動いて、何か、かわいらしいみぃーみぃー鳴く声が聞こえる。
あっ、これって。
中を開けると、まだ生まれたばかりだと思う、小さな仔猫が二匹、みぃーみぃー鳴いている。
「宮園さん、この猫って」
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