猫二匹/トビラ
ひらさせて、席に戻っていく。
なんだろう?
告白でもされるのかな?
なんて思うと、ドキドキしてくる。
まあ、それはないだろうけど。
ただ、新学期早々、何かいい予感がする。
春の浮わついた空気が、僕を赤く染める。
*
部活が終わってスターバックスに向かうと、ガラス越しに、手をひらひらさせて笑う宮園さんがいる。
可愛い。
宮園さんは、手で、そこで待ってるように合図を送ってきたので、少し待つことにする。
春の夕暮れの街並みは、どこかお祭りみたいに華やいでいて、ちょっとわびしい。
自動ドアが開いて、宮園さんが出てくる。
手に何か大きなものを持って。
「来てく
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