壊疽した旅行者 四/
ただのみきや
く艶やかに塗り固められた伝統
内側からいとも容易く鞘が弾けるように
舞い踊る肢体は花ように膨らみ
焔のようにゆらめき爆ぜる
女は鬼となり神となり
陶酔の 破顔の異端 異形者よ
討伐された鬼たちの哀哭を聞かせ
わたしの中の纏ろわぬものを呼び醒ませ
おまえは裏返し 水に映る影
書けば舞い 舞えば書き
掻き抱くように深みに身を投げる
《2020年4月12日》
戻る
編
削
Point
(2)