無限∞/朧月夜
 
の三列目があり、君は彼方へと旅立とうと、いつも気がかりな顔を覆い隠そうとしているのだろう。僕から君へと手渡される手紙は、無限の狭間にあって、淡い雪の一ひらのように消失する。君は、僕と同じ無限の一列目に下ろうとして、足元を見やるのだろうか。僕から、君へと手渡される手紙はもうない。君は、無限の三列目がどこにあるかを、おぼろな視線でただ追っている……。


[アレンジメント3]

 あなたが無限の一列目にいる時、私は無限の二列目にいてふるえている。あなたから私へとたどり着くすべはなく、貴方は俯いている。私はどうすれば良いのか分からず、なすすべもなく蹲っている。この世界のどこかには、無限の三列目があって、そこにも誰かがいるのでしょう。私から彼らへとたどり着く仕方はなく、私は「貴方たち」として取り残されている。私が、無限の二列目を逃れようとする時、あなたは、もしくはまた嘆くのでしょう。あなたは、無限の一列目に立ちすくんだままで、はるかな未来だけを見すえている。
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