風のテラス(ちいさな死)/草野大悟2
そのとおりだけどさ、たしかに天ぷらにして、生原酒なんかやりながら抹茶塩 で食すると、もうほかになんにもいりません、っていうくらい最高なんだけ ど、けどだよ、君、ここは、我慢だ。ひたすら耐えてレモンイエローの息吹た ちを愛でることだ。
そうしないことには、なつかしい人たちと交わることなんてできないんだ、と いうことに、気づいている者はたくさんいるように一般的にはおもわれている けれど、実は、ごくまれである、という現実を突き付けられたとき、君ならど んな反応を示すのだろう。非常に興味あるね。
わたし? わたしはね、君の思惑どおりの反応を示すよ、きっと。
今日は快晴。
わたしは、隣人の布団を干す。
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