オンファロデスの妖精/
丘白月
嫌いな人を
嫌いな物を
嫌いな時を
たくさん思い出して
たくさん考えてみたら
心が汚れた気がした
無理に汚した気がした
心にいるもう一つの
綺麗好きな心が泣いていた
誰にも気づかれずに
裏庭にまだ冷たい
朝露が蜜のよう
かすみ草が見えた
いやあれは一緒に蒔いた
オンファロデスだった
月の光で編んだビンを抱えて
朝露を集める妖精が
幻のように見える
僕にもくれないか
その魔法の朝露を
泣いてるこの子に
あげたいから
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