自分の身には/こたきひろし
詩を棄てて街に出られなくなった
花が満開の季節なのに
見えないものに怯えてばかりいても
神経を病むばかりなのに
詩を忘れて夜に出られなくなった
欲望の渦巻くこの体には
ブレーキが軋んでいるのに
上流詩人じゃない
下流詩人でもない
役に立たないPRIDEなんて最初からゴミ箱に棄ててある
突風に煽られる
一枚のぼろ布にも値しない
俺の吐き出す詩編
さっさと詩を棄ててしまえば
いいのに
風に飛ばされて引っ掛かった電線で
震えながらたえている
詩を棄てて街に出られなくなってしまった
満開の花の木の下には人の死体が埋まっているかも
知れないのに
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